磁器の良さを知る

民藝の器、そして民窯というと陶器を思い浮かべます。民藝の精神を残している窯の割合として、陶器のほうが圧倒的に多いことや、民窯の代名詞として語られるのが小鹿田や沖縄の北窯など、陶器の窯であるためかもしれません。磁器は豪華絢爛な装飾が施された高価なもの、もしくはスーパーの店先で販売されている子供茶碗など大量生産される類のものというイメージが強くなってしまったことも理由のひとつかもしれません。

柳宗悦が民衆の器に目を向けるきっかけになったのは朝鮮の磁器。かつては日本でも多くの民衆に使われていました。また、輸出用の雑器としても大量に生産されました。
例えば磁器の飯碗として現在でも生産されている「くらわんか碗」は、江戸時代大阪淀川を往来する三十石船を相手に酒食を提供していた小舟が用いた器。この小舟で「くらわんか」と叫びながら商いをしていたのが、その由来です。くらわんか碗は大阪で生産されていたのではありません。遠く佐賀県・有田からもたらされました。18世紀に有田で磁器の大量生産が始まり、庶民でも磁器を使用できるようになったのだそうです。庶民が手荒く使っても大丈夫なように厚手で、かつ大量に作るため、その絵付けは素早く流れるような筆さばきで描かれました。それが民藝の用の美として柳宗悦の目にとまったのです。柳が特にその美しさに感嘆した古伊万里の蕎麦猪口も同様です。


我が家で使っている磁器を並べてみました。

moyaisで取り扱っている磁器は、かつて庶民が使っていたものと同様に日用雑器として作られている、素朴で丈夫なものばかりです。今でも地元の材料を使って手作業で作られており、プリントではなく手描きで絵付けされています。その丈夫さと美しさは目を見張るものがあり、使うたびに日本の手仕事の素晴らしさが感じられます。

磁器の良さを知っていただきたく、moyaisオンラインショップでは、2018年11月21日(水)~11月28日(水)の期間中、磁器(大日窯、中田窯、梅山窯)を商品代金1,000円以上お買い上げの方に2019年手仕事カレンダー・ポスター型、5,000円以上お買い上げの方には卓上型をひとつ進呈いたします。年末年始にも活躍する磁器をぜひこの機会にお求めください。

磁器(大日窯、中田窯、梅山窯)

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