瀬戸の石皿

数年ぶりに瀬戸の石皿が入荷しました。

瀬戸の石皿は煮〆皿とも呼ばれ、江戸末期から瀬戸で大量に作られていました。名前の通り石のように重く、その丈夫さゆえに多くの人々に愛されていました。柳宗悦の著書「手仕事の日本」にもこのように記されています。

“この瀬戸ものにはあらゆるものがあります。もとより轆轤(ろくろ)を用い型物も作ります。中で昔から近所近在に行き渡って使われている雑器は紅鉢といわれる大きな深めの鉢であります。また「石皿」と呼ばれる径一尺前後の浅い大皿であります。旅籠屋や煮売屋を始め、どんな台所ででも重宝がられました。”

日常用の陶磁器のことを瀬戸物と言うほど、焼き物で有名な産地である瀬戸。しかし機械化やブランド化が進み、手仕事によるものはごくわずかとなりました。そんな中、瀬戸本業一里塚窯はいまだに轆轤を用い、手仕事による日用雑器を作り続けている数少ない窯元です。

様々な絵付けで知られる石皿ですが、無地のものも江戸時代から作られてきました。当時の美しさをそのままに残す8寸皿。黄味がかった色に無数に貫入が入った味わいのあるお皿です。高台は瀬戸の土の白さを感じられるよう素焼きになっております。

メイン皿としてふだん使いにも特別な日にも活躍する重厚感ある器です。
使い続けると少しずつ色が濃くなり、美しさを増していきます。

同じシリーズの珈琲碗皿も入荷しております。ぜひご覧ください。

瀬戸焼・瀬戸本業一里塚窯(愛知)

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