「民藝の100年」を見に行きました

2月13日まで東京国立近代美術館で開催している「民藝の100年」を見に行きました。

陶磁器、染織、木工、蓑、ざるなど暮らしの道具類や民画の膨大なコレクションとともに当時の出版物、写真、映像などを通して、民藝とその内外に広がる社会、歴史や経済を浮かび上がらせるという本展。

柳宗悦の見出したものの美しさは日本民藝館でも感じられることですが、民藝の100年を時系列で辿っていくことで柳宗悦を取り巻いていた当時の日本や世界の状況を感じることのできる展示でした。

そして改めて「民藝」というものが柳宗悦の生き方と情熱そのものであり、それ故に柳宗悦亡き今は「民藝」という言葉の指す意味合いが曖昧にならざるを得ないことを感じました。日本の工藝の未来を見据えて過去と今を記録し、未来につながる道を敷いておく先見性と行動力には驚くばかりです。100%ピュアな思いがあってこそ周囲の人々も迷うことなく柳とともに動いたのだと思います。

美醜は現世から眺めた分別の妄想であり、そこから脱する道は、何かに執着することをやめ、「無難」「無事」の境地にいたることである。という仏教の教えを現した「無有好醜」という柳宗悦の書を目に焼き付けて帰路につきました。

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