久しぶりに伊賀焼・やまほん陶房の土鍋が入荷しました。
伊賀の陶土は300~400万年前に堆積した「古琵琶湖層」と呼ばれる地層から産出されます。高温で焼成するとその地層に含まれる生物の遺骸が燃えて細かな気孔ができます。その多孔質な陶土は“呼吸をする土”と言われるほど粗く、遠赤外線効果が高いため食材の芯までじっくり熱を伝えます。また蓄熱力が高いので冷めにくく、火から下ろしたあともトロ火で煮込むのと同じ温度を保ち、食材の旨みを引き出します。
現在は海外産の鉱物を混ぜることによってヒビの入らない土鍋も多く販売されていますが、やまほん陶房の土鍋は伊賀の陶土のみで作られた「ヒビとともに強くなる道具」です。
ヒビからの漏れを防ぐため、使う前には必ず「目止め」というお手入れをしてください。目止めにはおかゆを作る、小麦粉を煮るなどといった方法があります。しっかり目止めをして、おかゆを炊いたあとは普通に水洗いします。
目止めの際は、以下の点にお気をつけ下さい。
・ 火加減は中火以下
・ 加熱後は自然に土鍋が冷めるまで待つ
・ 冷めてから中を水洗いする
また、土鍋は急激な温度変化に弱いため、使い方によっては大きなヒビが入り割れてしまいます。以下の点にご注意ください。
・ 土鍋を使うときは、底が濡れたまま火にかけない
・ 揚げ物には使用しない
・ 空焚きをしない
・ 熱い土鍋に水をかけない
・ 火加減は常に中火以下
・ 沸騰後は弱火にする
大切に使えばヒビとともに強くなり、何十年もお使いいただけます。